高齢化が進む日本では、介護の仕事が非常に重要になっています。介護の仕事では、高齢者が自分らしく過ごすことができるように手助けを行っていますが、それと同時に、要介護度が上がることがないようにサポートすることも重視されています。
たとえば、高齢者の健康を維持するために行われる口腔ケアはその一つです。口腔ケアとは、いわゆる歯磨きをはじめとした口の中の清掃で、口腔内を清潔に保ち、保湿や口腔機能を維持するためのケアを指します。これらの口腔ケアは、簡単なようで意外と難しく、介護スタッフはスキルを身につけておかなければなりません。
他人に口の中をいじられるということは、誰でも緊張するものです。そのため、介護スタッフは緊張感や不安を与えないように、声掛けをしながら、適度な力で素早く口腔ケアを終わらせる必要があります。このスキルが欠けていると、高齢者は口腔ケアに嫌悪感をいだき、避けるようになってしまいかねません。また、口腔ケアを行うタイミングを見極めることも重要です。口腔ケアは途中で口を漱いだりしなければなりません。しかし、その際に高齢者が水を誤嚥してしまうと、健康に大きな影響を与えてしまいます。ですから、口腔ケアを行うときには、高齢者の意識がはっきりしていること、緊張せずにリラックスしている状態であることを確認しておかなくてはなりません。
また、このほかにも、高齢者の中には入れ歯を使用している人もいるので、入れ歯の外し方や入れ方のコツをマスターしたり、入れ歯を清潔に保つ洗浄の方法なども知っておくべきでしょう。したがって、口腔ケアは介護業務の中でも比較的難しい仕事だといえるかもしれません。